新規集客
ではこういった美容室は、何をしているのか。
今回は美容室がチラシ集客で効果を出す「3つの鉄則」を解説します。
美容室がチラシ集客で成果を出すには「3つの鉄則」があります。
それがこちらです。
この3つのうち、1つでも欠けると効果は出ません。
例えば美容室のチラシは「おしゃれで美しいデザイン」が求められます。
確かに「美しさ」は必要です。
でもそれ以上に「配り方」と「枚数」の方が集客には重要です。
例えば「配り方」について少し解説します。
「チラシは以前より当たらない。」とよく聞きますが、そう言う人の多くは「チラシ集客」イコール「新聞折込(新聞にチラシを挟んで配る)」のイメージを持っています。
でも新聞折込で「当たりにくい」のは当然です。というのも新聞を取っている世帯が劇的に少なくなったからです。
総務省が情報では2013年に新聞を取っている世帯は、なんと20代ではたった9.2%、30代で25.3%、40代で34.6%、50代で51%、60代で58.7%です。
おそらく2018年現在は、全国平均で「50%以下の世帯しか新聞を取っていない」と思われます。
つまり新聞折込では、地域の半分以上の世帯にチラシが届きません。
だから「美しいデザイン」より前に、「配り方」の方がもっと重要です。
ちなみに新聞折込は「やっても意味が無い配り方」ではありません。
地域性、業種、ターゲットによっては、実は「新聞折込の方が反応が良い」場合もあります。
そこで業種別の具体的な「配り方」や、「配る枚数」や「チラシの内容」など「3つの鉄則」を詳しく解説します。
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」 2014年4月発表
出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20140429-00034755/
チラシ集客で結果を出すには「配り方」が最も重要です。
さらに「配り方」には「5つの秘訣」があります。それがこちらです。
最低3回、繰り返し同じ所に配る事で、初めて効果が出ます。
どんな年代・性別・客層を狙うかで、配り方は変わります。
チラシは「地域性」や「住宅タイプ」によって大きく反応が違います。
例えば「地域性」で言うと、1000枚配って100人集客するような驚くべき地域もあれば、どれだけ配ってもまったく反応が無い地域があります。
でもこればかりは、実際にその地域で1度はやってみなければ分かりません。
ところが「住宅タイプ」に関しては別です。
住宅タイプには大きく分けて「一戸建て」と「マンション」がありますが、どちらが集客しやすいかというと、間違いなく「一戸建て」です。
なぜなら一戸建ての方が、チラシを「見てもらえる確率」が圧倒的に高いからです。
多くのマンションでは、集合ポストのすぐ下にゴミ箱が設置されています。これは不要なチラシをすぐに捨ててる為の物です。つまりマンション住民に、自宅の中までチラシを持って入ってもらう事すら高いハードルです。
でも、一戸建ての住民が自宅ポストに不要なチラシが入っていても、自宅の庭に捨てる人はいません。まず自宅の中には持って入ります。
そういった点で一戸建ての方がチラシを詳しく見てもらえるチャンスは高くなります。
チラシを配る「手段」には代表例として「新聞折込」と「ポスティング」があります。ポスティングとは一軒一軒のポストに直接チラシを投函する方法です。
最も一般的な手段であった「新聞折込」は、新聞を取る世帯が激減した為、地域の半分以下の人にしか届きません。
そのためポスティングの方が、地域の人に「お店の存在を知ってもらう」可能性が高くなり、結果、集客効果が出やすくなっています。
「誰が配るか」によっても、集客結果に大きな開きが出ます。
例えばポスティングにも2種類あります。お店のスタッフが配る「スタッフ・ポスティング」と、ポスティングを専門にする「業者ポスティング」です。
最大のメリットは一軒一軒に丁寧に配れる所です。そのため集客効果の高い「一戸建て」を優先的に配れます。
逆にデメリットは「体力と時間」が必要な為、一日に大量に配れません。
貴重な「体力と時間」を使んですから、スタッフ・ポスティングをする場合は、ぜひ効果の高い「一戸建てを優先」して欲しいと思います。
メリットは、短期間にまとめて枚数を配れる所です。
特に新規オープンのお店は、早くその存在を地域に「知ってもらう」必要があるので、お勧めの方法です。
デメリットは、新聞折込に比べて配布費用は高い事です。
また業者も利益を出す必要がある為に「効率を優先」します。その為、配る時間がかかる「一戸建て」より、早く配れる「マンション」が主体になります。
2つのポスティング方法は、それぞれにメリット・デメリットがあるので「自店の状況」に応じて最適な手段を使い分けて欲しいと思います。
なお「新聞折込はダメ」で「ポスティングが良い」のではありません。
業種やターゲットによっては実は新聞折込の方が良い場合があります。
以下の図は、2つの方法のメリット・デメリットを比較したものです。ぜひ参考にして下さい。
<新聞折込とポスティングのメリット・デメリット>
「配り方」の5つの秘訣で「回数・周期」も大切なポイントです。
これによって集客効果を大きく変わります。そのポイントが以下です。
多くのお店がチラシ集客する時に「広い地域」に「1回だけ」配ります。これでは反応が低いのは当たり前です。
なぜなら、そもそもチラシ集客の「最大の目的」は、定着率の高い「近所の人」に「知ってもらう」事だからです。
「知ってもらう」為に必要な事は、何度も何度も伝える事です。1回ではなかなか伝わりません。
繰り返し伝える事で「知っている人」がどんどん増えていきます。
美容室の場合、平均来店周期は3か月です。その為、もし今日チラシを見ても、昨日髪を切った人には行く動機がありません。
「そのうち行こうかな。」と思っても、3か月もしたら「存在を忘れる」事もしばしばです。
そのため毎月1回、同じ地域に最低3回は配って下さい。
そうする事で「お客様の髪を切る周期」にマッチして集客チャンスが増えます。
例えば3万枚しか無いチラシを、3万世帯に1回で配るお店がありますが、それでは良い結果が出にくいです。もし3万枚を配るなら「近い地域」で1万世帯に毎月1回、3回配る方が反応は高くなります。
チラシの「最大の目的」は「お店の存在を知ってもらう」事です。
何度も何度も「近い地域」に配る事で、「定着率の高い」近所のお客様に、お店を知ってもらえるチャンスが増えていきます。
前述しましたが「ポスティング」より「新聞折込」が悪いという事ではありません。
「新聞折込」の方が「3つのメリットを持つ顧客」を集客しやすいと特徴があります。
その「3つのメリット」とはこちらです。
新聞は50歳以上の高年齢層ほど新聞購読率が高く、新聞を取っていない世帯より所得が比較的に高い傾向があります。
そして高年齢層は若年層に比べて、他のお店に浮気しにくく「定着率が高い」という特徴もあります。
そのため特に治療院のチラシ集客には「新聞折込」が向いています。
また美容室でも「客単価と定着率の高い顧客」の集客を優先したい場合は何度か試して欲しい「配り方」です。
最後に「配り方」の最大の秘訣は、
自店の地域性に合わせて「やり続けて一番良い方法を探す」事に尽きます。
「地域で一番集客しているお店」は、それをしています。
例えば美容室のチラシ集客で、ポスティングしか集客できない地域もあれば、なぜか新聞折込でしか集客しない地域もあります。
多くの美容室や治療院でチラシ集客を支援してきましたが、正直私もまず一度はやってみないと分かりません。
業種・地域性で条件はまったく変わります。ぜひあなたのお店に一番マッチした「配り方」を見つけ欲しいと思います。
<チラシ配布方法別 周知率>
チラシの「配り方」別の配布率。過去の実績・経験から算出
「配り方」の次に重要なのが「配る枚数」です。
チラシを初めてする美容室オーナーから「何枚配ったら良いですか?」という質問をよく受けます。
いつも私が伝える答えは「何人の新規客を集めたいですか?」という質問で返します。
なぜなら「配る枚数」と「新規集客数」はある程度は比例するからです。だから「何人集客をしたいのか」で「配る枚数」も変動します。
集客の基礎知識として「反応率」という基準があります。
これは「新規集客数÷配った枚数」で割り出します。例えば10万枚のチラシを配って100人の新規客が来れば「0.1%の反応率」です。
最近の傾向では、美容室のチラシ集客は「0.1~0.2%前後」の反応率です。なお爆発的に集客する地域では0.5%以上の結果がでる事もあります。
つまり「何人欲しいのか」という目的から考えた場合、美容室で「反応率0.2%」で仮定すると、100人を集客したい場合は5万枚必要になります。200人を集客したい場合は10万枚が必要です。
でも「商圏に10万人も住んでいないよ!」という相談も受けます。
これは「配り方」の所でも解説した通り、美容室は「最低毎月1回、3回同じ地域に配る」のが鉄則です。
ですから「3.3万世帯」に「3回」配って欲しいと思います。
地道な繰り返しこそが、集客の結果を生み出します。
<チラシ枚数別 集客人数比較表>
チラシ枚数と反応率による「新規集客数」の比較
チラシ集客で結果が出ないお店の多くは、1回だけ配って、反応が悪いとすぐに辞めてしまいます。でも、1回では結果は分かりません。
最低3回を近い地域に配って、それで反応を見極める必要があります。
そこで「何を基準」に見極めるかですが、私は以下を基準にしています。
0.1%・・普通。悪くは無いが良くも無い。
0.2%・・良好。当たる地域。集客しやすい時期に再度やる。
0.3%・・最高。最低1年間は継続的に続ける。
なお反応率を計算する時、重要な事があります。
それは「新規客数」は「チラシだけの新規客」だけ無く、チラシ配布期間の「全ての新規客数」で計算して下さい。なぜならチラシを配ると、紹介客やホームページからの新規客も増えるなど「全ての集客手段」が加速するからです。
もし美容室のチラシで0.3%以上の反応が出たら、その地域では徹底的にチラシで攻め続けます。逆に0.1%「未満」なら、チラシ以外の集客手段に切り替えます。
なぜなら0.1%未満だと利益が出にくいからです。
具体的に計算してみましょう。
美容室の「新規客の客単価」は約6000円。
10万枚で「0.1%の反応率」なら100人の新規客数になるので売上は60万円。そして必要経費は10万枚のチラシだと50万円前後はかかります。
結果、最少売上60万円-最大経費50万円で「10万円の粗利益」になります。
ところが「0.1%未満」の反応率だと、売上は50万円未満になります。すると利益がほとんど出ません。
その為、美容室では「0.1%」を判断基準にしています。
最後に「中身」ですが、大きく3つのポイントがあります。それがこちらです。
いわゆる「見た目」です。特に美容室の場合は、綺麗な女性が掲載している方が一目で「美容室のチラシ」と認知してもらいやすくなります。「何のチラシ」かが分かる事、「目立って」お客様の目に止まる事が求めらます。
「情報量」は集客数と比例します。「お客様に行動してもらう」為には一定の情報量が必要です。
そういった点では通販のチラシは、今の日本で最も良く出来たチラシです。
写真だけ、デザイン性だけでは、お客様はお店を選べません。
どんなカットやカラーが得意なのか。どんなトリートメントを扱っていて、それがお客様にどう良いのか。
また、どんなお店の内外装なのか、どんなスタッフが在籍しているかなど、お客様が「行動する」には、最低限度の情報量が必要です。
特にこの内容によって、新規集客は2倍から3倍増える事はよくあります。逆にこの内容によっては、まったく集客しない事もありえます。それほど重要な部分です。
例えば「オールメニュー30%オフ」という打ち出しの美容室のチラシをよく見ますが、これは「お客様に不親切」です。その為、集客しにくい代表例とも言えます。
なぜなら美容室はロング料金やメニューも多種多様で「結局いくら必要なのか」非常に分かりにくい業種です。その状態で「30%オフ」と言われても、結局「どれだけ得」かまったく分かりません。これではお客様が行動しにくくなります。
だから「セットメニュー」にするなど、新規料金を分かりやすくする事が重要です。
また新規料金(割引)にするかは「地域性」と「集客したい人数」で変わります。
ちなみに「割引して集客」すると、全体の「平均客単価」は下がると思われがちですが、実は「新規客の集め方」で「客単価」さえも上げる事が出来ます。
例えば美容室で「カラーを強み」にして集客した場合、「カラーをしたい新規客」が増えるからです。またそれらの新規客が定着すると、カラー比率(月間のカラーをした顧客数÷月間の総客数)は間違いなく上がります。結果、客単価も上がります。
ただし、美容室は全国で22万件もあると言われます。だからどのお店にも最適な方法や「絶対に集客できる方法」は残念ながら存在しません。それぞれの「個性や強み」を活かした方法が求められます。
その為には「集客の知識・情報」を、経営者や店長が持つ必要があります。
そのため、私の会社ではホームページ取引先の美容室には
私が書いた「集客・求人ノウハウ」を毎月、「IT-Brainニュース」という名のニュースペーパーで発信して、オーナーやリーダーの情報提供をしています。
リーダーの情報量が少なく、情報の質が弱いと、サロンは飛躍的に伸びません。
逆に伸びている美容室のリーダーは情報量が多く、情報の質が高いです。
サロンの発展は、すべてリーダー次第です。
チラシ集客で費用を抑える方法として、まずチラシを3種類の費用に分けて考える事がポイントになります。
その3種類が「印刷費」「デザイン費」「配布費」です。
まず1つめの方法が「印刷費」を抑える方法です。
多くの広告会社は「デザイン費」と「印刷費」がセットで、その「両方に利益」が乗っています。枚数が増えるほど広告会社が儲かる仕組みです。
ただ最近では、ネットで印刷専門の激安会社も数多くあり、品質も良好です。そこで「デザイン費」と「印刷費」を分けて対応してくれる広告会社やデザイナーであれば、印刷枚数が多いほど費用を削減できます。
実際に私たちの会社は、美容室のチラシ制作の場合、その方法で対応しています。「デザイン費」のみを頂き、印刷は激安印刷会社から「原価」で直送しています。
ただしフリーのデザイナーならともかく、広告会社でその対応をする所は少ないので、依頼前にその対応が可能かを質問しておいて下さい。
2つめの方法が「デザイン費」を抑える方法です。これはフリーデザイナーであれば、非常に安く対応してくれる人もいます。
ただしこの点だけは「費用優先」より「成功優先」で考え、美容室なら「美容室専門の広告会社」に依頼するのが、成功確率は高まります。
なぜなら「業界の専門会社」には「業界の集客知識」があるからです。例えば美容室なら「どんなキャンペーンメニュー」を掲載するかで、集客人数は絶対的に変わります。
例えば美容室のチラシの場合、イメージの良い「綺麗な女性モデルの写真」を使いたい所ですが、業界専門の会社以外はそんな「女性モデルの素材」を、まず持っていません。
これは私たち自身も、初めて美容室のチラシを作る時に最も困った事でした。ネットで有料の写真素材を探しまましたが、使えるレベルの物がほぼありませんでした。
そこで今ではプロのカメラマンとプロモデルを定期的に依頼して、写真素材を撮り貯めるようになりました。
最後に「配布費」を抑える方法ですが、実はチラシ集客で使う費用の中で、最も大きいのが「配布費」です。
例えば一般的なチラシの大きさの「B4サイズ」を新聞折込で配る場合、1枚3円前後が必要です。(地域で変わる)です。
つまり10万枚を新聞折込すると30万円+税金が必要です。
配布費は「スタッフ・ポスティング」で「一部」を配れば、費用を抑える事も出来ます。さらにスタッフ・ポスティングは「スタッフ教育」にもなります。
例えばお店が広告で集めた新規客の場合、スタッフは「新規客のありがたみ」をあまり感じにくいものです。
ところがポスティングで「自分で汗をかいて集めた」新規客は、同じ新規客なのに気持ちが自然にこもります。
また美容室の場合、アシスタントがスタイリスト・デビューする時には全スタッフでポスティングをするのも良い方法です。「目的」がデビューするスタッフに「お客様を付けてあげる」事であれば、みんな心をこめて頑張れるからです。
ただしポスティングの「最大の目的」が「お店のコスト削減」なら、長期でやり続けるとスタッフはやる気を無くし、離職にもつながります。
ポスティングの目的はただ1つ、「スタッフの成長」の為に。
「スタッフの成長・成功」を本気で考えるお店やオーナーだからこそ、スタッフはついて行き、お店がより強い絆で結ばれます。
あなたのお店に、より多くの新規客が来店することを願います。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人
中川 淳 株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。
株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。