美容室経営において「新規リピート率アップ」が変わると大きく売上が変わります。実際に毎月100人も集客しているサロンの場合、2年間でなんと1500万円以上も売上が変わります。そこで今回は、新規リピート率をアップする重要性と、郊外サロンにおける「新規リピート率を根本的にあげる」基本をご紹介します。

リピート・教育

2年で1500万も売上差!郊外サロン【リピート率が高い新規客】を集客する必要性

美容室経営において「新規リピート率アップ」が変わると大きく売上が変わります。
実際に毎月100人も集客しているサロンの場合、2年間でなんと1500万円以上も売上が変わります。

そこで今回は、新規リピート率をアップする重要性と、
郊外サロンにおける「新規リピート率を根本的にあげる」基本をご紹介します。

新規リピート率が上がると売上も劇的に上がる

新規集客をする際、特に重要なポイントが
「新規リピート率」です。

これは新規客が2回目も来てもらった比率ですが、この比率が高いほど売上も長期で安定します。

美容室の平均的な新規リピート率は、最近では30%と言われています。
(統計上は40%だが、実際は毎年少しずつ落ちている)

しかし、もしその比率が上がると「どれほど売上額が変わる」のでしょうか。

そこで以下の条件で比較してみました。

【比較条件】

  • A店/新規リピート率が「30%」の美容室
  • B店/新規リピート率が「60%」の美容室

【共通条件】

  • 両店とも毎月100人の新規客が来店するお店
  • 来店客は3か月ごとに来店する
  • 客単価は毎回6000円で計算する
  • その新規客は来店するごとに30%→60%→80%→90%と推移していく

そして2年間で売り上げ金額が
どれくらいの差が出るのか、比較してみました。

すると・・

●1年間後・・。
総額 「352万円」の売上差!

●2年間後・・。
なんと!
総額 「1,576万円」の売上差が出ました。

つまり、新規リピート率が上がると、長期ではこんなにも大きな差が開きます。

新規リピート率が重要なのは、もちろん美容師さんなら誰しもが知っている事です。
しかし30%も変わると、これほど大きな売上差が開いてしまいます。

だからこそ、「新規リピート率が高くなる可能性」のある、
『定着しやすい新規客をターゲットにして集客』することが重要です。

では具体的にどうすれば良いのか、
郊外サロンにおける、基本をご紹介します。

「定着しやすい新規客」と「1回限りの新規客」

新規集客は「どうやって集めるか」という「方法」が重要ですが、もう1つ重要な事があります。それがこちらです。

  • 誰を集めるか(ターゲット)

というのも、新規客を集客する「最大の目的」は売上アップですが、「新規客がただ集まれば良い」訳ではありません。新規客に何度も来店してもらって「定着してこそ」目的が達成できます。

ところが「集客のターゲット」を間違えると、その目的は達成しにくくなります。
なぜなら「新規客は2種類」存在するからです。その2種類がこちらです。

  • 1回限りの新規客
  • 定着しやすい新規客

「1回限りの新規客」を沢山集めても、2回目に来てくれる確率が低いと売上は積みあがっていきません。
 既存客からの「紹介の新規客」は、「定着しやすい新規客」の代表例です。

逆に割引クーポン付きの「ネット広告サイト」からの新規客は、「初回限定の割引」が目当ての「1回限りの新規客」がどうしても多くなります。

ではなぜ「2種類の新規客」に分かれるのでしょうか。
そこには大きく3つの理由が考えらえます。それがこちらです。

  1. 来店動機
  2. 客層
  3. 集客地域

1.来店動機

1つめの「来店動機」ですが、「割引クーポン」付のネット広告サイトで集客した新規客は、「新規客限定の大きな割引」目当ての人が多いためです。
初めてお店に行く前から「次回は行かない」と決めている新規客さえいます。

片や「紹介の新規客」は「友達が良い」と聞いて来店するため、一番の動機は「お店への期待」だと言えます。そのため気に入れば、2度3度と通うようになり定着します。

2.客層

次に2つめの「客層」ですが、「お店の価値」を理解しやすい人かどうかです。

例えば「紹介の新規客」は「紹介してくれた既存客」からのクチコミに「価値」を感じたからこそ来店しています。そしてその「価値」を自分も感じたら何度も来店します。

つまるところ「客層」とは「お店の価値」を理解しようとする「意識が高いか・低いか」の違いとも言えます。同じサービスをしているつもりなのに、新規リピート率が大きく結果が変わるのは、この「客層の違い」が原因です。

最後の3つめの「集客地域」はこの後、詳しく説明するので省きますが、このように様々な条件によって、同じ新規客でも定着しやすさが変わります。

ですから新規集客の際は「どうやって集めるか(手段)」と並行して、「誰を集めるか(ターゲット)」をセットで考える事が重要です。

新規集客のターゲット/「定着しやすい新規客」の見つけ方

新規集客のターゲットの「定着しやすい新規客」を
簡単に見つける方法があります。

それはあなたのお店に既存客が「通い続ける理由」を分析すれば
その答えが見つかるはずです。

そこで「集客ターゲット」を見つけるための
質問を用意しました。

質問1 既存客の来店動機

今の既存客は、いまのお店の条件が変わったら
それぞれ何割が残ってくれるでしょうか?

メモに記入してみてください。

1)立地・・・ 3駅遠い所に移転したら、何割残る?
2)料金・・・ 料金を300円上げたら、何割残る?
3)内装・・・ 1ランク下がると、何割残る?
4)スタッフ・・全員入れ替わると、何割残る?

※例えば「料金を300円値上げ」した時に、
9割が残りそうなら「9」と記入して下さい。

質問2 既存客が通う理由の順位

続いて、上記のメモを元に
「既存客が通う理由の順位」を

自己評価で
1~4位の順位をつけてください。

さて。過去にこの内容を全国でセミナーさせていただいた結果
約5000人のオーナーやスタッフ様が出した平均順位はこうなりました。

5000人の美容師さんが選んだ、「既存客が通い続けてくれている動機」

1位 スタッフ
2位 立地
3位 内装・外装
4位 料金

さて。あなたの分析はどうだったでしょうか。
多くの「地域密着」のお店では「スタッフ」が圧倒的な1位でした。

そして同じく、圧倒的な2位が「立地」でした。

つまりは地域密着の場合、「通いやすい」のも定着しやすい条件だと
多くの美容師さんが出した答えです。
そしてこれが私の伝えたかった事です。

つまり「地域密着のお店」の最重要ターゲットとは

「お店の近所に住む人」です。

なぜなら「近所のお客様」は「通いやすい」ために
「定着しやすい」からです。

「遠い所のお客様」を狙って1回は集客が出来たとしても、長期的に通い続けるのは難しいです。
1部のお客様が定着しても大部分は長期で定着しません。

さて、ここで話を整理します。

  • 「近所の人」が新規集客のターゲット
  • でも近所の人は「お店が見えていない」
  • だから「知ってもらう活動」が必要

※ 「近所の人がお店を見えていない」「知ってもらう活動」については、こちらのブログ記事をご覧ください。

地域密着店は「近所のお客様」を沢山集めて、定着させる事で売上が安定します。

でも多くのお店が集客に困った際に「近い所は集客しつくした」と思って、「遠い所の新規客」を集めようとします。

でもこれは「逆」なんです。「近所に住む人」に伝える必要があるんです。
近所の人は、あなたの「お店が見えていない」だけなんです。

だから「知ってもらう活動」であなたの「お店の存在」を伝えて下さい。
「近所の人」に知ってもらって下さい。
そして「選んでもらう活動」で、お店の魅力を伝えて下さい。

結果、「長期定着する新規客」「リピート率が高い新規客」を集めることが出来ます。

この記事を書いた人

中川 淳 株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。

株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。

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