新規集客
口コミ紹介を増やすには「4つの条件」があります。
それを私は「人熱(ヒトネツ)」と呼んでいます。
【ヒ】・・人
【ト】・・特典
【ネ】・・ネタ(情報)
【ツ】・・ツール(道具)
口コミは「しやすい人」・「しにくい人」がいます。
ちなみに口コミは、男性より「女性の方がしやすい」と言われています。
その理由は「脳」にあります。
というのも脳科学的には、女性は実は男性よりも「生物学的に優秀」で
男性の「何倍もの情報」を耳や目だけでなく、肌や直観でも収集できるそうです。
そのため、女性は脳が情報で一杯になって
「話をしながえら整理する(よくしゃべる)」人が多く、
逆に男性は「考えて整理した後で話す」傾向があるため、
口数が少なくなります。
紹介した人・された人の割引やサービスなどです。
サロンや美容室は紹介特典がある所が多いため、やはり紹介客が増えやすい業種だと言えます。
口コミで伝わる「情報やキーワード」です。
口コミを増やす一番大切な事です。
口コミ紹介のための「道具」です。
例えば「紹介カード」やチラシもその1つです。
ちなみに美容室で私が「もったいないなぁ」と感じるのが、「ネタとツール」です。
この2つは車でいうと「ターボ」。つまり「口コミの加速装置」です。
口コミを「しやすい人」は例えるなら「剣の達人」、そして「ネタとツール」は「剣」です。ぜひ「剣の達人」に活躍できる「剣」を持たせてあげて欲しいと思います。
そうすれば友達が集まる時などの「戦地で最大の成果」をあげてくれます。
あなたのお店に1人でも多くの、口コミ紹介客が増えて欲しいと思います。
さて、それでは4つの条件について、事例を交えながら詳しく解説していきます。
美容室が口コミ紹介を増やすために、一番シンプルな方法があります。
それがコチラです。
「・・何だそりゃ?」と思われるかもしれません。
しかし実は既存客は「お店が知り合いを紹介して欲しい」のだと、
なんとなく「知ってる」けど、「意識」はしていません。
またスタッフも「紹介をお願いする」のは、なかなか気が引けて言えない事が多いです。
しかし既存客がお店を大好きなら、「お願い」されると喜んで紹介する人も意外と多いです。
というのも、こんな話があります。
アメリカのシカゴにフィールド家という億万長者がある時、地元シカゴのA大学に多額の寄付をしました。
これに驚いたのが同じくシカゴのB大学。先生や関係者が集まり、会議を開きます。
「きっと私達がフィールド家に失礼な事をしてしまったんだ。だからA大学だけに寄付をして、私達にはしてくれないんだ。」
しかしどれほど考えてもフィールド家に、どんな失礼な事をしたのか分かりません。
そこで素直に関係者がフィールド家に謝罪に行きました。
ところが・・。
フィールド家はB大学にまったく怒っていませんでした。それどころか好意的でもありました。
「ではなぜA大学に寄付をされて、私達B大学には寄付をして下さらないんですか?」と聞くと、フィールド家はあっさりとこう言いました。
「A大学に寄付をお願いされたから。」
B大学はびっくり。
その後B大学も寄付をお願いして、同じく寄付を頂いたそうです。
この話はまさしく「ストレートにお願いする」という事例です。
フィールド家は「お願いされるまで、大学が寄付が欲しい」とは、「意識」をしていませんでした。
だから紹介客を増やすためには、まずお店が既存客に「伝える」事です。
伝える事で「紹介してくれる意識」を既存客が持ってくれます。
また紹介をお願いする時に、もう1つ重要な事があります。
それが以下です。
たまに美容室で紹介カードを渡されて、「誰かを紹介して下さい」と言われる事があります。
伝える意識は素晴らしいのですが、これでは紹介客はなかなか増えません。
なぜなら人は「●●をして下さい」と言われても、それが「具体的」でなければ行動出来ないからです。
「誰か」を紹介してと言われても、その「誰か」が思い浮かばないんです。
そのため、たいていの場合はにっこり笑って「分かりました。」と言って、ほとんどの人は紹介をしてくれません。
「出来ない」といった方が正解かもしれません。
だから既存客に紹介をお願いする場合は「友達や家族を紹介して下さい」ではなく、「相手を具体的に絞って」お願いして欲しいと思います。
例えば「家族」と決めたなら「ご家族の紹介をして下さい。」とお伝えしましょう。
そして紹介された新規客の「具体的なメリット」をしっかり伝えましょう。
そうすれば「誰かを紹介して下さい。」と言うより、紹介してくれる確率はずっと高くなります。
またこの方法は柔軟性によって、さらに「口コミ紹介」が増えます。
既存客の家族構成、職業、趣味などを知り、この人には「家族」を・・、この人には「職場」を・・という風に
「紹介して欲しい人」を「より具体的」に伝えて欲しいと思います。
そうすることで紹介客は増えやすくなります。
サロンで「価値」を伝えようと努力はしているのに、お客様に「伝わらない」事が多くの業種であります。
その原因は2つあります。その1つがこれです。
例えば顧客管理システムの営業マンが、販売する自社システムをこう説明しました。
「このシステムのデータベースはMySQLです。だから安価でクエリも軽く高速です。」
これはシステム業界の人間なら誰でも、何が言いたいのか(価値・アピール内容)が理解できます。
しかしシステム業界以外の人は、ほとんど理解できません。
なぜなら「単語」すら聞いた事も無いので、理解が「出来る・出来ない」以前の問題だからです。
これではお客様に「価値」は伝わりません。
実際に美容室オーナーから、よくこんな相談を受けます。
『チラシやホームページの反応が悪いです。どこが悪いか見てもらえませんか?』
見せてもらうと、メニューやクーポン欄で以下の名前でそのまま掲載したりします。
これらは美容師さんなら誰もが知る、有名なトリートメントの商品名やブランド名です。
しかし・・実はこのままではお客様が見た時に「何がどう良いトリートメント」か、よく分からないモノです。
何かよくわからない(価値が伝わらない)のでもちろん集客の反応が悪いです。
他にも、私の会社でチラシやホームページを作らせていただく時、こだわりのパーマ剤や処理剤などの特徴を掲載したいとおっしゃいます。
ヒアリングすると「CMCが・・・ペーハー値が・・・」と熱心に説明してくれます。
ところが・・。
失礼ですが、たまに「外国人と話している気分」になる時があります。
ごめんなさい。(;^_^A
専門用語で美容師さんの言っている事をそのまま掲載してしまうと、一般のお客様にはまったく「価値」が理解できません。
「お客様が知りたい」のは、商品名や薬剤の成分・特徴ではありません。
『だからどーなるの?』が知りたいのです。
つまり「使った後のこと」が知りたいのです。
もっと平たく言うと、そのメニューを通じて得られる
「素敵な未来」が知りたいのです。
だから、その「素敵な未来」を掲載して下さい。
例えばミルボンのリンケージ・トリートメントをチラシに掲載する場合、私は以下の表現を使います。
「 サラサラ実感トリートメント 」
リンケージは髪の表面にサラサラ感を実感しやすいので、そのまま「素敵な未来」にネーミングを変えます。
なぜなら、メーカーがつけた名前をそのまま使ってもそれが『どう良いか』『使った後の未来』を知っているのはほんの一握りのお客様だけです。
だからそのメニューで得られる『素敵な未来をイメージ』できる名前(メニュー名)に変えるとチラシやホームページでの新規客数が増えます。
価値を伝える時は
ぜひ伝えて欲しいと思います。
人間は「恩を受けたら返したい習性」があります。
お世話になったら相手に返したい。
これを「返報性の法則」と言います。
紹介客を増やすために、この「返報性の法則」が関係します。
実際にこの法則を使ったビジネスは多くの異業種で使われています。
ショッピングモールの中にあるコーヒーショップではよく店頭で、無料で試飲コーヒーを配っています。
私はそれを飲んだら最後、なんだかお店に入らないと悪い気がして、まんまと中で高級コーヒーを買ったりします。
「返報性の法則」恐るべし!です。(^_^;)
ちなみに女性は、無料でもらっても割り切れる人が多いようで、男性の方が「返報性の法則」が強く効くようですが・・。
さて。
美容室の多くは、紹介された新規客に「初回割引」があります。
同じく「してくれた既存客」にも【割引】があります。
でも私はこの「割引」が「もったいないなぁ」と感じます。
というのも口コミ紹介してくれる人ほど、他人とコミュニケーションを取るのが上手な人が多いですが
そんな人が「●●さんを紹介したから、私も割引してもらったの!うれしー!」
・・って口コミをするでしょうか。
・・恐らく出来ないと思うんです。
なぜなら「お金で友達を売った」ように周りに思われるかもしれません。
何より「割引」は、ほとんど「恩」を感じません。
もちろん嬉しいです。
でも10分たてば忘れてしまいます。
「割引の恩」はその程度です。
本当に悲しいです。
では、どうしたら良いのでしょうか。
せっかく口コミをしてくれる既存客なので
「割引」ではなく、サービスを「体験」してもらうのも1つの手です。
お客様には、気にはなっているけど、積極的にしないプチ贅沢な事があります。
例えばトリートメントやヘッドスパもその1つです。
「体験」は「割引」よりずっと恩を感じます。
ましてや口コミをする人なので、「体験」を人に語ります。
そうなれば、無料の広告塔を雇ったようなもんです。
もちろん手間や原価、スタッフ数なども考えて「何を提供出来るか」「無料か割引体験か」はアイデアしだいです。どんな事が可能か、検討して欲しいと思います。
なお意外と多いのが、「紹介特典」をお店のスタッフ全員が知らない事です。
オーナーや店長はもちろん知っていても、意外とスタッフに個別に質問すると、あいまいになっている事があります。
紹介客を増やす最低限度の準備として、
「既存客の特典」と「新規客の特典」を改めて明確にして、スタッフ全員で共有して欲しいと思います。
最後に紹介を増やすための、最も一般的なツールが
「紹介カード」です。
紹介カードを来店客に渡す際には、必ず伝えて欲しいポイントが2点あります。
それが以下です。
なお「既存客の特典」を紹介カードに掲載する必要は必ずしもありません。
それは既存客に口頭で伝えたり、お店にPOPを貼って対応しても構いません。
なお、意外と長年通ってくれている既存客よりも
1回目・2回目来店のお客様の方が、「紹介してくれる確率が高い」です。
そのため新規客には、必ず紹介カードを渡してください。
これだけでも紹介客は間違いなく増えます。
なお紹介ツールには、必ず「ホームページのアドレス」を掲載ください。
なぜならいまのお客様は、「紹介された後に必ずとネットで検索する」からです。
紹介客を増やすために、美容室ではホームページは必須です。
ただしホームページに関しては注意点があります。
ブログやSNS、ホットペッパービューティーをしているけれど
ホームページ自体がそもそも無いお店をよく見かけます。
でも・・。
実は一般人から見たら、ものすごく厳しい意見ですが、正直にいうと「今どきホームページもないお店は、信頼度は低い」です。
他にも、無料でつくった「手作りのホームページ」のお店も多いです。
これも一般人が見たら「手作り」かどうかは見たらすぐに分かります。
さらに厳しい意見をストレートに言うと「手作りホームページなら、無い方がまし」です。
なぜなら美容室なのに、「怪しい」「安っぽい」雰囲気のホームページは・・。行くのが不安になってしまいます。
【人は見た目は9割】。です。
「お店」も「ホームページ」も、一般人であればあるほど、「見た目で判断」しています。
紹介客を増やすために、ぜひ見た目(ブランディング)にも、力をいれて欲しいと思います。
このブログ記事は、私(中川淳)が以前に出版した
「美容室の新規集客の方法」の本から、一部を抜粋したものです。
なお、他にも以下の
リピート率アップや口コミ紹介の「基本編」のブログ記事も人気です。
よろしければ参考にしてください。
この記事を書いた人
中川 淳 株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。
株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。