独立・出店
美容師さんが独立・開業・新規オープン時の準備を「1年前・半年前・3か月前・1か月前の時系列で簡単にまとめました。
なお美容室が新規オープンで成功するには、いまは「立地」が1番重要です。
私は美容室の「集客・求人」専門のチラシ&ホームページ制作会社を運営していますが、その立場上、たくさんの独立開業する美容師さんと出会いました。
その経験をもとに、2015年に「美容室の集客の本」も執筆・出版させていただきました。(Amazonランキング4部門1位)
そこで独立する方の成功確率が少しでも高まるように、今回のブログ記事を書きました。
参考になれば幸いです。
まず最低限必要な準備内容が以下です。
<必須のもの>
<店舗系>
<営業系>
<集客・求人>
ではこの14種類を解説していきます。
最低限度、必要な費用が以下の合算です。
自己資金と、日本政策融資銀行(旧:国金)や地元の銀行などで借り入れをしてください。
最近(2018年)は、銀行が日本政策融資銀行よりも安い金利で、独立創業資金を貸してくれやすくなっています。金利も(保証協会を付けて)1.8%前後。日本政策融資銀行に対抗していると銀行員は言います。
なお初めて借り入れする時は、何をどうして良いかまったく分からないと思います。
そんな時は独立1年前から日本政策融資銀行や、口座をもっている地元銀行に相談にいき、どうやって借りたら良いかなどを聞いても良いと思います。
「借り入れが得意」な地元の税理士さんにサポートしてもらう美容師さんも多いです。
借り入れするとき、「店舗資金・運転資金」ばかりが目がいき、多くの独立美容師さんが後回し・忘れがちなのが「集客費」です。
集客費はオープンした後に、お店が軌道にのせるために絶対必要なお金です。
いまは新規オープンしただけで勝手にお客様は集まりません。ものすごく集客はシビアで、お金がかかります。
スタッフ数やセット面数にもよりますが、販促費は200万円は準備しておきましょう。
最低でも100万円。でもこれだとギリギリで、かなりオープン後に苦しくなります。
なお多いのが、50万円以下の販促費しか用意していない人です。
しかし50万円以下だと集客で出来る事がかなり少なく、軌道に乗せるのにかなり時間がかかります。
私は美容室の集客・求人アドバイザーとして、独立や新規オープンの美容師さんと10年で何百人とお会いしましたが、正直、オープン後に成功する人・上手くいかない人がいます。
その1つは「スタートダッシュで成功する覚悟をもっている」かです。
「最初は赤字でも良い」という人は、なかなか黒字になりません。
新規オープンで成功している人は全員、スタートダッシュで攻めています。
以前に独立する人で「チラシ1万枚も配ったら、1000人は新規客が来るでしょ?」という方がいましたが、仮に無料にしてもそんなに来ません。
実際に無料イベントをした時もありましたが、無料だと「変わった」お客様しか来ず、さらに2回目リピートはしませんでした。
目安として、チラシ1万枚だと30人来たら成功。
1万枚で10人集客できなくても、いまは不思議でもありません。
「お金の余裕は、心の余裕」。
攻めるお金を持っているのと、無いのでは大きな差が出ます。
そのため販促費200万円は、出来るだけ用意するようにしてください。
1年前から準備して、必ず取得しておきましょう。
なお「持ってないと絶対オープンできない」という事は無く、「保健所から指導が入る」程度だと聞きます。しかし保健所から目をつけられて良いことは1つもないので、持っておく必要があります。
理容師・美容師試験研修センターサイト
保健所と消防署の検査を通らないとオープンできません。事前の下調べをしたうえで、申し込み手続きをしておいてください。
なおオープン直前に保健所や消防署に検査してもらうのは得策ではありません。少なくともオープンの1週間前までには完了しておきたい所です。
よくあるのがオープン2日前・3日前にして検査に入ってもらうケース。しかし、もし不備があると営業することが出来ないので、十分にゆとりを持っておきましょう。
実は新規オープンして成功するために、もっとも重要なのが「立地」です。
「店舗物件」も重要ですが、それ以上に
「どの地域」に出店するかが、将来を左右します。
簡単にいうと「集客しやすい地域」「集客が劇的に難しい地域」があります。
集客が難しい地域にお店を構えると、オープン後に軌道に乗せることすら難しいです。
またオープンして軌道に乗った後も、新規集客は最低限し続けないと、売上は安定しません。これは「1人サロン」でも同じです。
例えば私は特に大阪は詳しいですが、大阪は「絶対に出店してはいけない地域」があります。逆に大阪でも「集客しやすい地域」があります。
ちなみにメーカーに「商圏調査」してもらう人もいますが、これは私の個人的な意見ですが、そんな資料は「役にたったことが一度もない」です。
「人口動態がどうのこうの・・」「この地域は美容室が多い・」を知っても意味はありません。
なぜなら日本の人口は全体的に減っています。何より「(人口が多くて)美容室が少ない地域」なんて、この日本のどこにもありません。
人通りが多い物件、駅前の物件、駅から遠い物件など色々ありますが、
郊外サロンの場合の「理想的な条件」を以下に記載します。
なお郊外サロンの場合は、店舗は駅前で無くても構いません。
駅前で「2階物件」を借りるなら、駅から少し遠くても「1階物件で駐車場が近くにある」方が、集客やリピートはしやすいです。
2階以上の物件は、そもそも飛び込み客が少なく、認知されにくいの「集客が難しい」です。
また階段の乗り降りがあるので、50代以上のお客様が長期定着しにくいです。
また「車通りがかなり多い」店舗にこだわる必要もありません。逆にあまりに車通りが多い物件は、女性客が駐車場に止めるのに困ってリピートしにくいです。
なお私がよくアドバイスするのは、以下の条件です。
参考になれば幸いです。
自分のお店ですので、どんな名前でも構いません。
自分のテンションが上がる素敵な名前をつけてください。
ただし、実は
「つけるとマズい名前」もあります。
詳しくは以下のブログ記事を参考にしてください。
店舗デザインで重要なポイントは1つだけ。
「美容室専門の店舗デザイン会社」に依頼すること。
もちろん友達が設備屋・工事業者の場合、美容専門よりも安く作ることができますが、美容業界の専門業者は「導線」も考えて、何より「見た目がオシャレ」です。
見た目がオシャレなお店は、既存客の長期定着にも影響します。
店舗に「お金のかけすぎ」はダメですが、あまりに「安上り」で作ると後で失敗するので、バランスが大切です。
このあたりはディーラーさんに相談して紹介してもらうか、友達の美容師さんに紹介してもらいましょう。
ちなみに「空調(冷暖房設備)」だけは、空調専門の業者に依頼するとかなり安くなります。店舗デザイン会社に、「空調だけは自分の知り合いに頼みたい」と言えば、たいていの場合は了承してくれます。
美容室の売上は、スタッフ数と「セット面数」「シャンプー台数」に比例します。
そのため「将来、自分がどうなりたいか」によって設備投資は大きく変わります。
「1人サロン」でずっとする予定なら、セット面は2~3面・シャンプー台1で十分です。店舗面積も10坪で十分です。
「2人サロン(ご夫婦)」はセット面4つ、シャンプー台2つが多いです。店舗は10~15坪あれば十分です。
「いつか多店舗をしたい」という目標を持って独立するなら、最初から店舗は25坪以上、セット面は8以上、シャンプー台4以上が理想です。
(最初はセット面6・シャンプー台3でもOK/のちに増築)
なお技術売上が月500万円を超えると、美容室は驚くほど毎月お金が残ります。これは独立して軌道にのった美容師オーナーは全員、口にしています。
そして1店舗目で毎月、お金がたくさん残る店にしない限り、2店舗目は100%できません。
またセット面が沢山ないと「スタッフを貯める」ことが出来ません。そしてスタッフを貯めて育てないと、同じく2店舗目は100%出来ません。
最低でも8人以上(理想は10人)のスタッフ体制になって、はじめて2店舗目が成功しやすくなります。
ちなみに5~6人のサロンが2店舗にして人を分けると、かなりの確率で失敗します。もし5人のサロンで、舗が手狭になった場合は、まず拡張移転する方が成功しやすいです。
これは「1店舗から2店舗にする方法・秘訣」について、今後ブログを書く予定です。
サロン・コンセプトから相談に乗ってくれるディーラーさんを選んでください。
条件は1つ。「信頼できる人柄」かどうか。これだけで十分です。
「割引を沢山してくれるか」で選ぶのはNGだと思います。
なぜなら「お金の関係」のディーラーさんとは、長くは続かないからです。
また「割引ばかり強く要求する人」は、ディーラーさんは心の底から応援しません。
私は独立する人を沢山見てきましたが、成功する人は「誠実で義理堅い人」です。つまり「人間性」が一番大切です。
人間性が良ければ割引も協力的ですし、他にも様々な協力もしてくれます。
そのため独立前から、勤めているお店で出入りするディーラーさんと良い人間関係を作っておくのも大切です。
他にも、自分が信頼している独立した美容師の友達がいるなら、その人に相談して紹介してもらうのも良い方法です。
ディーラーさんの選び方は、だいたいこの2パターンのどちらかです。
出来ればその時に「旬の材料」を使った方が良いと思います。
逆に「避けて欲しい」と思うのが、以前から使っている材料に固執してしまうこと。
もちろん使い慣れているのが良いとは思いますが、カラーもトリートメントもパーマも店販品も、良い材料・新しい材料がたくさん発売されています。
そのため、まず「どんな材料が最近は人気があるか」の情報をディーラーさんから聞いて、材料を選んで欲しいと思います。
カード決済の手数料は、最近はかなり安いものがあります。
その代表的なのが「Air Pay(エアペイ)」や「楽天ペイ」です。
※3.24%~の手数料
■Air Pay(エアペイ)
■楽天ペイ
電話番号を取得しないと、集客や各種販促物(ホームページ・チラシ・ポスター・名刺・紹介カード・会員カード)などが作れません。
電話番号の取得だけなら、店舗契約の契約書さえあれば可能です。
そのため店舗契約をしたら、すぐにNTTに電話して取得してください。
実は電話番号の取得が遅くなって、オープン日が遅れた美容室がいつくもあります。
少なくともオープン2か月前には取得完了が好ましいです。
オープン1ヵ月になると、様々な集客の仕掛けが遅くなってしまいます。
なお一緒にインターネット回線の申込もしておきましょう。
ネットがないとネット集客の対応が出来ません。
なおインターネットは「プロバイダ契約」も必要ですが、知識的に詳しくない場合は、ネット回線の申込の際に、一緒にプロバイダの申し込みもしてください。通常はネット回線業者がプロバイダの相談や仲介もしてくれるはずです。
集客と求人は「お店を軌道に乗せる」「成功する」のに必須条件です。
長文になるので、別でブログ記事にしました。
最後に、1年前からオープンまでの「ざっくりスケジュール」をまとめました。
以上がざっくりの流れ・準備することです。
なお「集客・求人」は成功するために重要な分かれ目になるので、
以下の記事を参考に、ぜひ成功して欲しいと思います。
あなたの素晴らしい未来を期待しています!
素敵なお店で、たくさんのお客様を幸せにしてください!
この記事を書いた人
中川 淳 株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。
株式会社IT-Brain(アイティブレイン)代表取締役。美容室専門の集客・求人プロデューサー。美容室で年間2000店舗以上/年間5万人の新規客の集客に関わる。 2014年、地域密着の美容室の集客方法をまとめた「行列のできる新規客の集め方」本を出版。Amazonランキング4部門で1位。 またセミナー講師もつとめ、経営者や美容師さんを中心に、受講者は全国で7,000人以上(2021年7月時点)。